こんにちは!札幌高校進学ナビゲーターのさっしんです。今回は札幌厚別高校の総合学科の系列についてお話していきます。
総合学科、系列などみなさん耳にしたことはあるでしょうか?札幌厚別高校総合学科で学べることや定員人数についても調査しましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
札幌厚別高校の総合学科とは?定員人数は?
札幌厚別高校には普通科はありません。かといって専門学科もありません。札幌厚別高校の教育課程は総合学科のみとなっており、それによって幅広い科目や進路が選択ができる教育方針となっています。
【総合学科ってどんな学科?】
高校の普通科は幅広い分野の基礎を中心として教育が進められます。普通科とは対照的に特定の分野、例えば工業系や福祉系といった分野の教育を集中的に取り組み進められるのが専門学科。そしてこの二つの学科に並ぶものとして、1994年度から導入されたのが総合学科です。
総合学科の特色は、
- 幅広い選択肢の中から自分で科目を選んで学ぶことが可能
- 生徒の個性を活かした学習、将来の職業選択を視野に入れて、自分の進路への自覚を深めさせる学習を重視している
ということ。自身の興味に合わせて、普通科の科目も専門学科の科目もどちらも選択することができる、言ってみれば「いいとこどり」な学科ですね。
札幌厚別高校の総合学科では1年次には基礎となる普通科と同じ科目を履修しながら、早い段階で自分の進路を実現するために系列について考えていきます。系列というのは、進路や興味・関心に対応した科目のまとまりのことです。
2年次からは「人文系列」「数理系列」「音楽系列」「美術系列」の4つの系列のなかから選択し、自分の希望進路に向けて取り組んでいくことになります。
札幌厚別高校の主な履修科目はこちら。
2年次・3年次では、そのほとんどが総合選択・自由選択の科目になっていますね。自身で科目を選択できるからこそ、各々の希望進路に沿った学習が可能になるのでしょう。
では選択科目にはどのようなものがあるのでしょうか。まずは自由選択科目をご紹介します。
<自由選択科目>
英語表現Ⅰ、国語基礎、古典読解、数学探究、ビジネス基礎、応用英語、英語講読Ⅰ、数学課題探究、国語教養、生物基礎、物理基礎、フードデザイン、生物、ビジネス応用など |
自由選択科目には英語や国語、数学といった普通科で学ぶ科目がある一方で、フードデザイン、ビジネス応用といった専門的な科目も並んでいるのが目を引きますね。
総合選択については系列により科目が異なりますので、後ほど詳しくお伝えいたします。
それぞれの系列について見ていく前に、ここで先に札幌厚別高校・総合学科の定員について確認しておきましょう。
【総合学科の定員は?】
札幌厚別高校の2018年度の定員人数は280人でした。
学年 | 学級数 | 人数 |
1学年 | 7 | 280 |
2学年 | 8 | 316 |
3学年 | 7 | 274 |
合計 | 22 | 870 |
こちらは2018年5月時点の札幌厚別高校の在籍生徒数になります。大体1学年300人前後というといった感じでしょうか。ただ見ていただくとわかるように、学年によって少し人数にバラつきがありますので、募集定員は年度ごとにしっかりチェックして下さい。
札幌厚別高校の総合学科に入学した300名前後の1年生(2018年度で言えば280名の方たち)が2年次には4つの系列を選択していくわけですね。
それでは、4つの系列の学習内容の特徴についてお話していくことにしましょう。
人文系列の学習内容
人文系列の学習内容は国語や英語と言った文系科目を中心に国立大学や難関私立大学に合格できる学力を身につける学習を目指してます。人文系列の具体的な総合選択科目はこちらをご覧下さい。
人文ー総合選択科目・2年次 | 人文ー総合選択科目・3年次 |
現代文B、古典B、日本史A、地理A、日本史B、地理B、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ、コミュニケーション英語Ⅱ、国語基礎、古典研究など | 現代文B、古典B、発展現代文、探究現代文、倫理、コミュニケーション英語Ⅲ、政治・経済、世界史B、探究地理、古典読解、時事問題、探究日本史など |
国語や英語、社会科系の科目が多く見受けられますが、選択により「ビジネス基礎」「ビジネス実務」「ビジネス応用」「情報処理」「簿記」「電子商取引」といったさまざま専門的な学習も行い、資格取得も視野に入れた取り組みもされています。
系列のなかで1番生徒の数が多いのがこの人文系列です。
理数系列の学習内容
数理系列の学習内容は数学、理科といった理数系科目を中心に国立大学や難関私立大学の合格を目指したものです。2年次には数学科目では数学Ⅱ・B、理科科目では発展的な化学や、基礎的な物理を履修。3年次にはそれぞれより深い発展的なものや、応用的な内容を学習していきます。
具体的な総合選択科目はこのようになっています。
数理ー総合選択科目・2年次 | 数理ー総合選択科目・3年次 |
数学Ⅱ、数学B、化学など | 数学Ⅲ、数学探究Ⅰ、数学探究Ⅱ、物理、生物、数学応用、地学基礎、化学基礎など |
この数理系列を選択されている方の中には、看護・医療系の学校を目指す方も多いです。
音楽系列の学習内容
札幌厚別高校は「音楽を志す人にとってはとてもよい環境」と、口コミ評価が非常に高いんです。
音楽系の学校と言えば、少し前にマンガ「のだめカンタービレ」がドラマ化されたことで話題になりましたよね。あちらは音大が舞台でしたが、札幌厚別高校でもあのドラマの光景を彷彿とさせるようなレッスンが行われています。
音楽系列の総合選択科目はこちら。
音楽ー総合選択科目・2年次 | 音楽ー総合選択科目・3年次 |
音楽理論、ソルフージュ、保育音楽、管弦楽、ピアノ演奏、管楽器演奏、弦楽器演奏、声楽基礎など | ソルフージュ、声楽演奏、ピアノ演奏、弦楽器演奏、管楽器演奏、伴奏法、弦楽アンサンブル、オペラ鑑賞など |
専門科目として音楽理論やソルフェージュなどがありますね。ここで「ん?ソルフェージュ?」と思った方もいらっしゃるでしょうか。私も知らなかったのですが、ソルフェージュとは楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことなんだそうです。音楽をされている方には当たり前だったかもしれませんね。
そして音楽系列では、さらに小系列というものがあるんです。
【4つの小系列でより専門的な学習を】
音楽系列では2年次より「ピアノ」、「管打楽器」、「弦楽器」、「声楽」の4つの小系列から2つを選択し、より専門的に学習していく内容となっています。
それぞれの小系列について、簡単にご紹介していきましょう。
<ピアノ>
ピアノは演奏技術はもちろん音楽表現について、個人レッスンを中心に学習が進められていきます。個人レッスンだなんて、本当に音大のレッスンようで嬉しいですよね。
<管打楽器>
管楽器とはフルートやオーボエなどのいわゆる吹いて音を出す楽器のことです。独奏(ソロ)やアンサンブル、合奏を目標に学習していきます。アンサンブルは2人以上で演奏すること、合奏は2つ以上の楽器で演奏することで、アンサンブルの一形態です。
<弦楽器>
ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの奏法などの技術向上を目指して学習していきます。
<声楽>
声楽と聞いてまず思い浮かべるのはオペラでしょうか。オペラ歌手のように美しく声が出せるよう、発声技術などを学んでいきます。もちろん日本歌曲も学びますよ。
札幌厚別高校では、各方面で演奏活動をされている多くの講師の方による個人レッスンが授業に盛り込まれています。また、希望者は放課後にも個人レッスンを受けることができるようになっています。
実技試験で好成績の生徒は、12月に行われる系列音楽発表会でソロ演奏を披露して舞台経験を積むこともできますし、本当に「将来音楽の道に進みたい」という方にとって、恵まれた学習環境となっていると言えるでしょう。
ちなみにこの音楽系列、音楽系の学校だけではなく、保育系の学校に進学する方も多いのが特徴のひとつです。
美術系列の学習内容
音楽系列と同様に、美術系列でもかなり専門的な学習をすることができます。音楽や美術といった芸術系列を持つ高校は、北海道では札幌厚別高校のみ。どんなことが学べるのか気になりますよね。美術系列の総合選択科目はこちらです。
美術ー総合選択科目・2年次 | 美術ー総合選択科目・3年次 |
美術史、素描、ビジュアルデザイン、絵画、彫刻、クラフトデザイン、情報メディアデザインなど | 素描、環境芸術、ビジュアルデザイン、絵画、彫刻、クラフトデザイン、情報メディアデザインなど |
美術史、ビジュアルデザイン、素描・・・美術系科目は音楽系科目以上に想像がつきにくいものが多いですね。
それだけ専門的ということなのでしょう。素描とは美術の基礎となるデッサンを中心とした学習で札幌厚別高校美術系列でも段階的により専門性の高いことを学習していきます。ちなみに読みは「すびょう」ではありません。
「そびょう」です。あしからず。
美術系列にも小系列がありますので、ご紹介していきますね。
【美術系で選べる4つの小系列】
美術系列の小系列は「絵画」、「彫刻」、「クラフトデザイン」、「メディアデザイン」とやはり4つです。
<絵画>
絵画では主に油絵の具を使い、平面作品の制作を中心とした学習を行います。それによって陰影の観察や質感の表現の仕方について学んでいくのだとか。3年次には100号クラスの作品にも挑戦します。
100号サイズのキャンバスというと横が162㎝、縦が160㎝から90㎝の大きなサイズです。畳1畳分の大きさが横181㎝、縦90㎝ほどになりますのでそれより少し小さいサイズということになるでしょう。しかしながら大きめのサイズの作品に挑戦していくのは難しそうですね。すごいです。
<彫刻>
彫刻では主に立体造形について学習していきます。2年次には基礎的な学習を行い、3年次に発展的な大型の自由制作にも取り組んでいきます。彫刻は力仕事といったイメージがありますが、実は繊細な作業です。
彫刻は絵画と違ってやり直しがきかないといった面もありますよね。制作途中段階の作品の印象がその日その日でどんどん変わってしまう作品も少なくはありません。
<クラフトデザイン>
クラフトデザインではステンドグラス、木工、金工などの技術について学んでいきます。照明器具や時計のデザインなど身近なもののデザインを考えていく学習というのは楽しそうですよね。将来はデザイナーを目指したいという方はこちらの系列が良いかもしれません。
<メディアデザイン>
パソコンを使い、様々なソフトウェアの操作方法を学んでいくのがメディアデザインです。2年次には2次元画像や3DCGについての基礎を学習し、3年次にはウェブデザインやアニメーションについての応用学習にも取り組んでいきます。
パソコンでの仕事が主流になりつつある昨今。デザインもパソコンで行うことが多くなってきています。高校からその操作方法が学習できるのは良いですね。
せっかくですから、美術系列の作品の一部もご紹介しておきましょう。
うーん、ひと口に美術と言っても、本当にいろんな分野があるんですね。芸術面に明るくない私などからすれば、どれも素晴らしい作品ばかりで、「高校生がこんな作品を作れるんだ!?」と驚いてしまいます。
美術系列ではやはり美術系の学校に進学される方が多いです。
まとめ
- 総合学科とは普通科の科目と専門学科の科目を進路に合わせて選べる学科となっています。
- 系列とは進路や興味・関心に対応した科目のまとまりのことを言います。
- 2018年度での札幌厚別高校の定員人数は280人となっています。毎年、定員人数は300人前後となっています。
- 札幌厚別高校の総合学科は2年次に「人文系列」「数理系列」「音楽系列」「美術系列」を選択し、希望の進路を目指し学習していきます。
- 人文系列では文系科目を中心に学習し、大学や上級学校の進学を目指します。また、様々な専門科目の学習や資格取得も目指します。
- 数理系列は理数系科目を中心に学習し、大学や看護、医療系の学校の進学を目指します。
- 音楽系列ではピアノ、管打楽器、弦楽器、声楽の小系列に分かれて学習します。個人レッスンなどを通して演奏技術などの向上を目指します。
- 美術系列では絵画、彫刻、クラフトデザイン、メディアデザインの小系列に分かれて学習します。制作活動を行いながら技術の向上を目指します。
いかがでしたでしょうか。北海道には14校の総合学科がある高校がありますが、芸術系列のある高校は札幌厚別高校のみです。しかし、芸術系だけに力を入れているわけではなく、進学に向けての取り組みにも十分な高校となっています。
通いながら幅広い進路が考えられる高校なのだと調べながら強く感じました。芸術系の進路を考えている方はもちろん、進路をまだ決めかねている方にもおすすめの高校となっています。ご拝読ありがとうございました。
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