中高一貫校は高校進学が有利?金銭面では私立の負担が重くなる?

あなたは、「中高一貫校」と聞いてどのようなイメージを持ちますか?

年々その数が増えている中高一貫校。しかし、だいたいのイメージはできても、まだあまりどういう学校なのかイマイチ分からない…という方も多いと思います。そもそも、一般の学校とは何が違うのでしょうか。

そこで、注目が集まっている中高一貫校のメリットや、学費問題などについてご紹介していきます。気になるアレコレを解消し、中高一貫校についての知識を深めていきましょう。

中高一貫校は高校進学が有利なの?

進学する学校を決めるということは、人生の中でもかなり大事なターニングポイントです。そのため、後悔しない進路先を選びたいですよね。

その点、中高一貫校はどのようなメリットがあるのかというと、まず最初に『高校進学が有利であること』が挙げられます。いえ、有利…というより、『高校受験なしで高校に行ける』と言えるんです。

普通、高校に進学するにはその学校を受験して合格しなければいけませんよね。しかし、中学校と高校が連携、または併設している中高一貫校では、その高校受験がありません。“進学”というより、むしろ“進級”ですね。

これが、中高一貫校に進学する最大のメリットと言えると思います。その理由は、「高校受験がないから楽できる~」という単純なものだけではありません。高校受験がない=大学受験に向けて専念できるということに繋がるんです。

【中高一貫校は大学進学にも有利!】

高校受験がないということは、中高一貫校に入学したら次に受験を受けるのは大学受験です。それまでに、6年間も時間があります。

でも、そんなに時間があっても無駄に過ごしてしまったら変わらないのでは…と思いますよね。しかし、そんなことは心配ご無用。実質、高校へ“進級”できる中高一貫校は、6年間というまとまった時間を効率よく使えるよう、最初から大学受験を視野に入れた授業内容になっています。

…と言われても、これだけ聞いても何のことやら…という感じですよね。もう少し中高一貫校の授業内容について細かく見ていきましょう。

<レベルの高い授業内容>

中高一貫校は、高校受験はありませんが、ここに入学するのに受験が必要です。つまり、「中学受験」があるんです。しかも倍率もかなり高く、合格者の人数より不合格者の方が多くなることも…。

でも、その分学力のレベルはアップします。入学者もその難関入試を突破した生徒ばかりなので、同レベルの学力を持った生徒が集まっています

生徒の学力にばらつきがないことによって、

  • 生徒全員にちょうどいい授業レベル
  • 授業の質やレベルの向上
  • スピーディーな授業

と、授業内容についてのメリットがたくさんあるんです。

<中1から大学受験を意識できる>

中高一貫校は、6年間というまとまった期間があるとお伝えしました。それにより、普通は中学校3年間、高校3年間と区切って考えることが多いかと思いますが、中高一貫校はそうではありません。

前述でも言いましたが、「高校受験がない=“進学”というより、むしろ“進級”=6年間を自由に使える」というのが、中高一貫校の最大の特徴です。

この特徴を活かして、多くの中高一貫校では6年間を見据えたカリキュラムを組み、『中学範囲の勉強期間3年間、高校範囲の勉強期間2年間、大学受験勉強期間1年間』という、2・3・1年制を取っています。

普通の学校ではこのような制度は真似できませんよね。大学入試を見据えたカリキュラムを組むことにより意識も上がりますし、大学受験の勉強に1年間も費やすことができるので合格率も上がります。まさにいいことづくし!

さらに、優秀な先輩方のおかげで「この学校の生徒は信頼できるから、入学者の枠を取りますよ」という“指定校推薦枠”があります。しかもこれが結構充実しているんです。

指定校推薦の入試方法は、作文や面接などが行われることが多いです。“学力面”よりも“その人の人物像”を見たいということなのでしょうね。しかも、その合格率はほぼ100%

1つの学校で1人しか指定校推薦で受験できない場合もある中で、この枠が充実しているなんてかなり嬉しいですよね。

そんな様々なメリットにより、「進学率がかなり高い」というのが中高一貫校で頑張る最も大きな理由となるのではないでしょうか。

【中高一貫校に高校から入学は可能?】

では、高校から中高一貫校に入学する方はどうでしょう。高校受験を受ける際、志望校に中高一貫校を選ぶ方もいらっしゃいますよね。そこでめでたく合格し、春からの生活を有意義なものにしたいと誰もが思っているはず。

でも、その生活も中高一貫校では普通の学校と違うところがいくつかあります。その中でも特に重要なのが中学からの入学者との「学力の差」です。

<学力差があるとどうなるの?>

中高一貫校の特徴は、6年間の一貫教育が受けられることでしたね。そのため、中学から大学受験を意識できるというメリットをお伝えしました。早くから受験を意識できるということは、他の普通の学校の生徒と比べてかなり授業内容も進んでいることになります。

それによって何が起きるのかというと、中学から入学している生徒と高校から入学した生徒の学力に差ができてしまうんです。そうなると、クラス全員で同じ内容・スピードで授業を行うことはできません。では、どう対策するのかというと、次のようなクラス分けが行われます。

  1. 1年では、ホームルームは一緒だけど授業は別。2年からすべて一緒になる。
  2. 1年では、ホームルームも授業も別。2年からすべて一緒になる。
  3. 3年間ずっとホームルームも授業も別。

この3つのどれが用いられるかは学校によって異なりますが、①の場合が多いようです。

「なんだかこれだと格差を感じる…」と思ってしまうかもしれませんが、ぜひそうではなく、『意識の高い環境で勉強ができる!』と思ってみてはどうでしょうか。

中高一貫校に高校から入学した生徒は、周りの学力に追いつくため1年生での授業内容はかなりハードです。これについていくだけでも大変ですが、その間に中学からの入学者はどんどん先に進んでいきます。

このような環境にいると「周りよりも遅れている。やばい…」という気持ちになりますよね。でも、この“やばい”どう捉えるかによってきっとこの先の人生が変わってくるのではないでしょうか。

「自分は周りと比べて全然できない…」と感じてしまうと、やる気はなかなか起きません。でも、「周りはあんなにできてる!自分もやらなきゃ!」と思えば自然と学習意欲も高まりますよね

中高一貫校は、普通校と比べて独特の環境となることは間違いありません。でも、中高一貫校に入学したことにより、高い勉強意識を持って高校3年間を過ごすことができるんです。名門大学に入学したい!と強く思っている方には、ぜひおすすめしたい進路先ですね。

<中学からの子と馴染みにくい…>

高校から中高一貫校に入学すると、もうひとつ感じる壁があります。それは、中学からの入学者は、それまでの3年間ですでにコミュニティが出来上がってしまっていること。つまり、なかなかその輪に入っていけず、入学当初は「転校生の気分だ」と感じてしまう方が多いようです。

これは、上記の中高一貫校の特徴にも理由があるかもしれませんね。ホームルームだけ一緒で授業は別だったり、1年間は何もかも別で2年生から一緒になったり…という生活は、やはり打ち解けるまでがさらに大変になりそうです。人見知りの方にとっては一苦労かも…。

でも、そのまま良い人間関係が築けないまま3年間を過ごしてしまうと、せっかくの高校生活が楽しくなくなってしまいます。そうならないようにクラスメイトと仲良くしていきたいですよね。ではどうしたらいいのかというと、ポイントは『焦らないこと』

まずは、同じように高校から入学したクラスメイトと仲良くなってみるのはいかかがでしょう。こちらも同じ仲間でコミュニティを作るんです。そうすれば次第に輪が広がって、中学から…高校から…という壁はなくなっていくでしょう。

また、学校にいるからこそ仲良くなれるタイミングというものもありますよね。それは、部活動学校行事など。

中学校生活でもこれらを通して仲良くなれた経験がある方も多いですよね。それは、高校でも中高一貫校でも同じです。部活動や学校行事などは、入学時期に関係なく全員で共同していくものです。触れ合う機会もたくさんあるので、自然と打ち解けられると思います。

最初は緊張してなかなか馴染みにくいと感じてしまうかもしれません。でも、それは普通校に通った場合でも同じですよね。楽しい学校生活にするには、友達の存在が必要不可欠です。徐々に慣れていけば大丈夫なので、怖がらずに良い人間関係を築いていきましょう。

私立中高一貫校は金銭面で負担が重い?

そんな、メリットばかりと思える中高一貫校。ですが、本当に嫌なことに何をするにも付きまとってくるものがあります。それが、“金銭面”。

学校関係の金銭面と言えば、ズバリ学費ですよね。中高一貫校は、どれくらい学費がかかるのでしょうか。公立と私立で比べてみましょう。

参考 文部科学省 学習費調査の結果

公立と私立の学費では比べ物にならないとはよく聞きますが…。その差はなんと、約2.5倍

各項目ごとに見てみると、教育費での差が大きいですね。どのような内訳でこんなに差が開いているのか、もう少し詳しく教育費について見てみましょう。

<中学校でかかる教育費>

引用 文部科学省 学習費調査の結果

中学校での内訳を見てみると、すぐに公立と私立の大きな違いが見つかるかと思います。

公立中学校では「授業料」の項目がありませんが、私立中学校にはありますね。しかも、私立中学校で一番大きな割合を占めているのが、この「授業料」です。

これは、それぞれの運営の仕方による違いが理由です。

  • 公立中学校・・・税金によって運営されている
  • 私立中学校・・・学校を運営するためのお金を授業料として徴収

なんだか、運営するためのお金なんだと思うと、この項目も仕方のないような気もしますね。しかし、親御さんにとってはお財布とにらめっこしてしまう要因になってしまうかもしれません…。

<高校でかかる教育費>

引用 文部科学省 学習費調査の結果

私立高校でも授業料が最も大きい割合を占めていますね。しかし、授業料は公立でも0円とはならないというところが中学との一番の違いです。

また、私立高校は授業料と同じような割合で、入学金や学級費などの「学校納付金等」の項目も大きくなっています。これは、私立中学校でも2番目に大きい項目でしたね。実際にどのくらいの費用がかかるのか、北海道内の私立中高一貫校『立命館慶祥中学校・高等学校』を例に見てみましょう。

参考 立命館慶祥中学校・高等学校

こちらは、立命館慶祥の1年間にかかる学校納付金の内訳です。ただし、入学金は中学入学時のみにかかるもので、高校に進学する時は納入する必要はありません。でも、それにしてもその額35万円…。冷蔵庫が3つくらい買えちゃいますね(笑)

他の内訳を見てみると、やはり授業料はかなり大きい額ですが、他の納付金はそこまで値が張ってはいませんね。納付金については入学金の存在がかなり大きいんですね。

【制度の活用で高校の学費が安くなる?】

こうして学費をしっかり見てみると、公立でも私立でもかなりお金がかかることを痛感してしまいますね…。でも、学費を理由にお子さんの進路を制限してしまうことは避けたいですよね。

そんな心配をお持ちの方に朗報です!学費面での負担を減らせるよう、国がしっかり制度を設けてくれています。それが、『就学支援金制度』です。

これは、公立・私立ともに高校の授業料を支援してくれる制度で、世帯年収に応じて国から補助金が支給されます。対象者は、世帯年収が910万円未満のご家庭の方すべて。ここでの注意点は、『世帯年収』なので、共働きの場合は両親の年収を合わせた額になります。“どちらか高い方の収入”ではないですよ。

そして、その支給額は高校の種類によって異なりますが、公立・私立ともに全日制の場合は月額9,900円となっています。

でも、正直これでは私立の場合はほとんどあてになりませんよね…。でも、大丈夫。私立高校のみに適用されるものですが、世帯年収によってその額が1.5〜2.5倍加算されるんです。

さらに、さらに!こちらに加えて、各都道府県がそれぞれに定めている追加の補助金があります。北海道にも設定されていて、その金額はこのようになっています。

引用 文部科学省

つまり、年収250万円未満の場合は、総支給額375,000円。年収250〜350万円未満の場合は、総支給額321,600円となるということですね!これはかなりありがたいですよね。

この制度は、一般の学校にしか適用されないと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、それは間違いです。私立中高一貫校も対象内なので、中学から高校に内部進学した方にもしっかり適用されますよ。

<入学時にお金が入るわけではない?>

ただし、この制度はしっかり内容を理解していないと大変なことになりかねません。

というのも、この補助額は入学時に「入学おめでとう!はい、補助金!」というわけではなく、なんと年度の後半にならないと制度が適用されません。

これは、前年分の世帯年収をもとに計算して支給額が決定されるため、4月の入学時期には間に合わないんです。支給額が決定されるまでは、いったん入学金や授業料などを通常通り納めなければいけません。それから制度が適用されたあとに納めすぎた分が計算されるという仕組みです。

「じゃあ、後から差額が振り込まれてくるのかな」と思いますよね。しかしそうではなくて、補助金が各家庭に振り込まれるのではなく、学校に直接支給されて授業料と相殺するようになります。

なので、就学支援金制度に支給日などはないので覚えておいてくださいね。

さらに、私立高校の場合はもっと注意が必要で、各学校ごとにその処理の仕方が異なります。具体的には、

  • 前期の授業料には制度が適用されず、後期の授業料で相殺される。
  • 支給額が決定したら、相殺後の金額で案内される。
  • 授業料を通常通り支払い、あとで差額が返還される。

などがあるので、私立の場合はしっかり学校に確認しましょう。

まとめ

  • 中高一貫校は、中学と高校が併設、または連携しているので、高校受験がない=進学というより、むしろ“進級”する形で高校に行くことができる。
  • 中学入学〜高校卒業まで、6年間という長い期間でカリキュラムを組めるため、中1から大学入試を意識した授業が受けられる。その授業自体も、同級生同士の学力が同レベルなため、スピーディーで質のいい内容となる。→大学合格率アップ!
  • 高校から中高一貫校に入学する場合、学力の差が大きな壁となる。でも、考え方次第では勉強意欲が高まり、とてもいい環境となる。良い人間関係を築くには焦らないことが大切。徐々に打ち解けられる。
  • 中高一貫校での6年間の学費は、公立→929,416円、私立→2,367,101円
  • 学費面での負担が減らせるように、『就学支援金制度』が設けられている。公立、私立問わず、高校で使える制度で、対象者は世帯年収910万円未満の方すべて。支給額は公私立ともに月額9,900円
  • 就学支援金制度は、私立のみ世帯年収によって加算される仕組みがある。また、各都道府県によって設定された追加の補助金もあり、北海道の場合は最大総支給額375,000円となる。
  • 就学支援金制度は、入学時期に合わせて各家庭に振り込まれるのではなく、支給額が決定してから学校に直接振り込まれて相殺される。前年分の年収をもとに計算されるので、決定時期は年度の後半になってしまうし、私立の場合は学校によって方法が違うので注意が必要。

普通の学校ではできない、6年間という長い年月で考えられるというのは本当に魅力的ですよね。ゆくゆくは就職することになりますが、その時に学歴があるかないかでは待遇にも違いが出てきます。中高一貫校は高校に内部進学できますし、大学合格率も◎。

学費の補助制度もあるので、家庭の問題で進路を諦めなくても大丈夫です。中高一貫校に入学した暁には、ぜひ将来にとって有意義な学生生活となるよう願っています。

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