こんにちは!札幌高校進学ナビゲーターのさっしんです。今回は県外への高校進学について調査しました。
原則、県外の公立高校に進学することは禁止されています。ですので県外の高校に進学する場合は私立高校への進学になるかと思います。県外への高校進学になると、自宅から通うことは難しいことが多いですよね。
そうなると高校の近くにアパートを借りるか、高校にある寮での生活になります。寮がある高校はどのくらいあるのか、寮生活のメリットなどについても調べてみました。
都道府県外の高校進学の割合は?
全国的に中学卒業後、高校に進学する方は全体で90%以上となっています。少し古いデータにはなってしまいますが2010年の文部科学省の学校基本調査によりますと、都道府県への高校の進学率は全国平均は3.84%です。最も県外進学率が高いのは奈良県の10.93%、最も低いのは北海道の0.39%になります。
県外への高校進学を選択した理由として県内に行きたい高校がなかったから、登校手段が難しく、やむを得ず県外の高校に進学をするなどがありました。しかし、主にスポーツ推薦によって県外の高校を選んだというケースが理由としては一番多かったです。
県外の高校に進学すると自宅からでは通うことが難しくなるため、必然的にアパートを借りて1人暮らしになるか、寮生活になるかと思います。高校生のうちから1人暮らしって当人にとっても、親にとっても不安なことが多いですよね。そんな方は高校の寮を希望することになるでしょう。
でも高校に寮があるとは限りませんよね。これから、寮のある高校がどのくらいあるのかについてお話していきます。
寮がある高校はそれほど多くない?
全国に寮のある高校は422校あります。
公立高校が147校、私立高校が275校です。全国に高校は6,697校ありますので、割合としては約6%です。寮がある高校がいかに少ないかがわかるかと思います。
ちなみにこの寮ですが、実は自宅が県外にあるため通学が厳しい、という生徒だけが利用しているわけではありません。県内でも寮生活を学業の一環としている高校があります。その例としてあげられるのが農業高校です。
農業高校の場合、農業に関する学習を中心として行って行くため1学年時に寮生活を義務としている高校が多いです。その他の専門高校でも寮生活を義務化している高校もあります。
では、これから寮生活の内容についてお話していきます。
【寮生活とは】
寮生活とは、学校が持っている宿舎で寝食を行いながら学業やクラブ活動を行う生活のことを言います。一日の生活としては概ねこのようになります。
<一日の生活スケジュール>
時間 | 内容 | 場所 |
7:00 | 起床 | 寮 |
8:00 | 朝食 | 食堂(寮or学校) |
8:50 | 授業開始 | 学校 |
12:10 | 昼食 | 食堂(学校) |
13:00 | 午後の授業 | 学校 |
16:00 | クラブ活動・補習 | 学校 |
18:00 | 夕食・自由時間 | 食堂(寮・学校) |
19:00 | 夜の補修・実習 | 寮 |
22:00 | 風呂・集会・委員会 | 寮 |
23:00 | 就寝 | 寮 |
これは一例ですが、どこの高校もだいたいこのような生活スケジュールでした。寮生活では洗濯や食事のお世話をしてくれる寮母さんがいます。
その他にも生徒の中に寮長がいたり、生徒によって運営委員会による自治活動を行っているところもあり、それぞれの役割によって掃除などの建物の管理やイベントの企画が催されていることもありました。
<寮でのイベント>
- 新入生歓迎会
- 花火大会
- クリスマスパーティー
- ボーリング大会
- 映画鑑賞会
- 卒業生を送る会
これまた一例ですが、楽しそうなイベントを催している高校もかなりありましたよ。基本的に寮では男子寮、女子寮と別れていることがほとんどです。イベントの時にのみ男女間の交流を行っているというところもありました。
次に気になる料金についてご紹介します。
【寮にかかる料金とは】
寮生活にかかる1ヶ月あたりの費用は総額として10~15万円ほどかかります。内訳としては入寮費、月額寮費、食費、光熱費などです。入寮費については寮生活をはじめる時にかかる費用でアパートなどで言う敷金・礼金にあたります。
なかには10万円かからない高校の寮もありました。
<寮生活にかかる費用(月額)>
内容 | 費用 |
入寮費(入寮時のみ) | 60,000円 |
寮費(月額) | 60,000~70,000円 |
食費(月額) | 20,000円 |
光熱費(月額) | 6,000円 |
クリーニング代 | 5,000円 |
これは、北海道の高校の寮利用の概ねの費用です。寮費については個室、2人部屋、4人部屋によっても料金が違います。寮によっては4人部屋しかなかったり、寮費に食費、光熱費が含まれているところもありました。また、寒い地域では光熱費が高く設定されているなど、その地域や高校によって金額に差があります。
クリーニング代に関しては、いくら出しても一定なのか、衣類の枚数によって金額が違うのか、残念ながらどこの高校にも記載されていませんでした。洗濯は自分で行うという寮もあります。クラブ活動などで汚れものなどが出やすい方などは入寮前に必ず確認をした方がよさそうですね。
それでは寮生活のメリットやデメリットを確認していきましょう。
寮生活のメリットは?
寮生活にはたくさんのメリットがありますので、ご紹介していきます。
【寮生活のメリット その1:たくさんの仲間ができる】
寮には共に生活する同級生、先輩や後輩がいます。同じ年代で寝食を共にするなんて毎日が修学旅行のようですよね。学校の授業だけでなく、勉強やクラブ活動も一緒に過ごすこともあるため、いろいろな共通の話題も増えて一気に仲良くなることができます。
寮生活を経験した方は「一人ではなく、みんなでいろいろなことを経験することができた」という方もたくさんいらっしゃいました。
【寮生活のメリット その2:規則正しい生活ができる】
寮生活は集団での生活です。そこには集団で過ごすためのルールがあります。そのルールのひとつとして決まっているのが時間です。
起床・就床時間、食事の時間、お風呂の時間、勉強の時間や外出時の門限など決まりごとが厳しいことも珍しくありません。その厳しい環境で生活するので、自然と規則正しい生活習慣を身につけることができます。
【寮生活のメリット その3:自立心】
寮生活にともない、親もとを離れるのがはじめてという方も少なくないかと思います。親もとから離れるということはそれだけで自立心を育むことにつながります。
特に中学から高校にかけて思春期の頃にはいわゆる反抗期の時期でもあり、親がうっとおしく感じることも増えてきます。その頃に親もとから離れ距離を置いてみると、普段当たり前に親が自分に対して行ってくれることのありがたみを感じることができます。
【その他 注意点】
これまでメリットについてお話してきましたがメリットがあれば同じようにデメリットもあります。例えば、寮生活にともない、同年代との生活で関係性が良ければ問題ないのですが、関係性が万が一悪くなってしまえば居心地が一気に悪くなってしまいます。
また、規則正しい生活に関しても自由な時間が制限されてしまうため、人によっては窮屈に感じてしまうこともあります。
自分にとってメリットになるのか、デメリットになるのかは人それぞれです。寮生活におけるデメリットと感じている人の意見として多かったのが人間関係です。先輩のこと、盗難などによる人間不信などがありました。
人間関係で必要なことは寮の中でも外でも構いませんが、自分にとって信用できる人がいるのかどうかです。人は逃げ道がないと不安になってしまいますが、信用できる自分の話を聞いてくれる人がいるということがその人の強みになるのだと思います。
まとめ
- 都道府県外への高校進学率は約4%と少ないです。
- 全国で寮がある高校があるのは約400校。全体の約6%しか寮がある高校はありません。
- 寮生活のメリットの1つ目としては仲間がたくさんできます。
- 寮生活のメリットの2つ目としては規則正しい生活ができます。
- 寮生活のメリットの3つ目としては自立心が芽生えます。
- 寮生活にはメリットもあればデメリットもあります。デメリットの多くが人間関係です。
これまで県外への高校進学について、高校の寮生活についてお話してきました。寮生活ってなんだか考えただけでわくわくしませんか?何か楽しいことがはじまりそうな、それこそ修学旅行前のような気持ちになります。
逆に不安な気持ちを感じている方もいるでしょう。しかし、その楽しい気持ちや不安な気持ちを感じていることがあなたが成長し、次のステップを踏もうとしている証(あかし)なのではないかと思います。
県外の高校進学を考えている方、寮生活に興味がある方のお役に立てたのであれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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