こんにちは、札幌高校進学ナビゲーターのさっしんです。
みなさんは高校進学の目的は何ですか?と問われてすぐに答えられますか?15歳で将来の目標を持っていることはとても立派なことだと思いますが、なかなか難しいテーマですよね。具体的にやりたいことが見つからない、という人の方が多いでしょう。
でも将来の目標はまだ決まってなくても、なんとなく高校進学はしておいた方が良さそうだから、とりあえず普通科を受験しておこうかな・・・というのが現状だという生徒さんも多いはず。
そんなみなさんに、今回は普通科の魅力をお伝えいたします!
まだやりたいことが分からないときには普通科がベスト!
まず普通科は「高等学校設置基準」や「高等学校学習指導要領」などに定められたものです。この普通科は、専門分野に特化した専門教育に対して、幅広い分野のうちの特に基礎的なものを扱うという普遍的教育を目指すものとされています。
*普遍的とは、ある範囲におけるすべてのものに当てはまる様。すべての時代・国・人に共通していることをあらわす。
これに対し、専門科は特定の職業に就くための専門知識・技術、資格を得るための学科であり、それに特化したカリキュラムが採用されています。
このことから、まだやりたいことがない、みつからない、模索中という生徒さんは専門学科で学ぶよりも幅広く知識を得られる普通科への進学が将来の選択肢を広げるためにも適していると言えます。
また偏差値や一番近くて通いやすいからなどの理由で、興味のない専門学科へ進学してしまうと、その知識や技術の習得のための学習や実習についていくことが辛くなってくると思います。他の生徒は夢や目標を持って進学してきているため、自分とのモチベーションの差も感じ孤立してしまうこともあるようです。
普通科をおすすめする理由とは?
まだ将来の道が決まっていないからこそ、大学・短大、専門学校への進学や公務員、または他の職種への就職と選択肢は多い方が良いですよね?
そこに普通科をおすすめする理由があるんです!
【普通科のおすすめポイント】
普通科を選ぶメリットはこちら。
- 教育課程が入試にあっているため、進学を希望する生徒に有利
- 総合的な幅の広い教育を受けることで、将来の職業選択の上で役に立つ
- 卒業後の進路の選択肢が数多くある
普通科のデメリットとしては
- 専門科に比べて、在学中に特定の技術・資格を身に着けることは不利
- 卒業後の進路が公務員以外の就職の場合、専門科の生徒に比べて即戦力をアピールしにくい
というところですが、確かに技術の習得は専門科の生徒にはかなわないですね。しかし、まだ将来を決めかねているのであれば、普通科を選ぶことのメリットが大きいのではないでしょうか。
どんどん興味がわいてきましたね?では普通科についてさらに詳しくみていきましょう。
【普通科の特徴】
普通科では、多くの学校で2つ以上の類系を設置しており、卒業後の進路に対応した教育が行われています。
類系はこちらになります。
文系
- 国語、地理・歴史・公民、英語に重点をおいた教育課程
- 文系の大学・短大・専門学校への進学、公務員への就職を進路希望とする生徒が対象
理系
- 数学、理科、英語に重点を置いた教育課程
- 理系の大学への進学を希望とする生徒が対象
- センター試験に対応するため、国語、地理・歴史の履修もある
文理系
- 主要6教科の内容をまんべんなく履修できる教育課程
- 主に国公立大学への進学を希望する生徒が対象
一般的に、この類系の選択は2年次進級の際に行われることが多いようです。
しかし学校の特色や事情によっては、この類系を設置していない学校もあるようなので学校案内や募集要項などで確認が必要です。
類系を設置しない学校では、主に1年次に必修科目のほとんどを履修し、2,3年次に残りの必修科目と様々な選択科目を履修することで、各々の進路希望に対応した教育課程となっています。
同じ普通科でも類系の有無も高校進学先の決め手の一つになりそうですね。
中学校の授業では得意な科目はありますか?はっきりと自分の得意が明確な生徒には類系が決めやすそうですが、これといってなかったり、どっちもどっち・・・という生徒には、その選択が難しいですよね。その点、この選択科目の履修なら無理なく自分の好きを伸ばせそうですね。
さて、必修科目とありますが、高校においての必修科目は何があるのかをみていきたいと思います。
国語
国語表現、国語総合から1科目
地理歴史
世界史A、世界史Bから1科目
日本史A、日本史B、地理A、地理Bから1科目の計2科目
公民
現代社会または倫理、政治・経済
数学
数学基礎、数学1から1科目
理科
理科基礎、理科総合A、理科総合B、物理1、化学1、生物1、地学1のうちから2科目
保健体育
体育及び保健
芸術
音楽1、美術1、工芸1、書道1のうちから1科目
外国語
英語の場合は、オーラル・コミュニケーション1、英語1のうちから1科目
家庭
家庭基礎、家庭総合、生活技術のうちから1科目
情報
情報A、情報B、情報Cのうちから1科目
必修科目は、高等学校新学習指導要領などで、卒業するまでにすべての生徒が原則として履修することと定められています。この必修科目に加えて、類系でのより深い学びや選択科目を履修します。こうしてみるだけでも高校では数多く学びますね。大学進学を視野に入れているので、当然のことなのでしょう。
ところで、専門学科では卒業後に別の道に進みたいと思っても、普通科以上の努力を要したり、そもそも潰しが効かず方向転換は難しかったりといったことがあります。なんとなくで専門科に入ったけど、やっぱり違う職業に就きたい!そのために進学したい!と思っても簡単にはいきません。
普通科とは異なるカリキュラムで学んできた専門科の生徒が、大学一般入試を受けるには相当な覚悟と努力が必要になります。後悔しないためにも、進路はしっかりと調べて決めましょうね。
【新しい普通科】
ここまで普通科についていろいろとみてきましたが、勉強だけじゃつまらない!とか、普通科の勉強も専門的な勉強もできたらいいのに…などと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。はい、ありますよ。
全ての学校が対応しているわけではないので、こちらも学校案内や募集要項などで確認が必要です。
普通科総合選択制
基礎学力を重視しながら、生徒の興味・関心や進路に応じて、いくつか設定されたエリアから1つを選び学習する。
エリアとは、専門性を深める系列とは異なり、生徒の興味や関心を引き出すものです。選択科目の割合は、従来の普通科より多く、普通科単位制より少ないです。
卒業後の進路として、進学・就職のどちらにも対応しています。
普通科単位制
必修科目以外はすべて選択科目となります。
授業はほとんどがクラス単位ではなく、自分が選択した科目ごとにその都度教室を移動します。そのため、クラス単位の活動(HRや行事、必修科目など)はありますが、学年の概念はないと言えるでしょう。
こちらも、生徒の興味・関心・進路希望にきめ細かく対応しています。
普通科コース設置制
専門学科ほどではありませんが、普通科の中でも専門学科が履修できるものをコース制と呼びます。
このコース制は、高校入試の段階から一般コースと分けて選択する学校と、2年次に選択する学校があります。主に体育、音楽、美術、福祉、情報、理数、国際などがあります。どちらかというと職業以外の専門教育をするものが多いですね。
いかがですか?普通科も楽しそうなところだと思いませんか。
将来のことと言われるとピンとこないけれど、興味や関心事なら何か見つけられそうですよね?音楽や英語など自分の好きなことや得意なことを突き詰めながらも、進学や就職に対する勉強もできるなんてすばらしい環境です。
まとめ
- まだ自分のやりたいことや将来の目標・夢が決まっていないのなら、将来の選択肢が豊富な普通科がおすすめ
- 普通科は教育内容が大学入試にあっているため、進学希望の生徒に有利
- 将来の職業選択のためにも、普通科での総合的な幅広い教育が役立つ
- 専門科に比べると、在学中に専門的な技術・資格を身に着けることは難しい
- 卒業後に就職する場合は、専門科の生徒に比べて即戦力をアピールしにくい
- 新しい普通科として、基礎学力を重視しながら生徒の興味・関心や進路に応じて学べる学校もある
普通科と一口に言われても、実際にはどんな勉強をしているのか、就職希望の生徒には不利な点もあるなど、知らないことが多かったのではないでしょうか。同じ普通科であっても公立と私立では、また違ったコース分けなどあるでしょうし、それぞれの学校の特色もあると思います。
みなさんはたくさんの可能性を秘めています。何にだってなれます。ですから、今はまだやりたいことがないからといって、近いからとか制服が気に入ったなどの理由だけで学校を選ぶのではなく、しっかりと調べて選ぶことが大切ですよ。
この記事がみなさんの進路決定のお役に立てたら嬉しく思います。
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